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2021.01.18

営業マネジメントに使える適切なKPIの設定方法

 

営業活動のKPIは、訪問軒数といった営業量(A)だけを増やすのではなく、営業プロセスの順守といった営業質(Q)と共に、“働き方改革”・“withコロナ”の中で効率性(E)を高めることを目的にした設定が重要です。

1日の訪問軒数やお客様との接点時間だけをKPIとしては、“働き方改革”やますます増加している“オンライン商談”には対応できません。KPIは目標達成に直結していなければ意味がありません。そういった意味で、これからの営業活動のKPI設定にはEQA(E:効率性、Q:営業質、A:営業量)の3つの視点が織り込まれている必要があります。営業KPIにおけるEQAについてご紹介します。

営業量だけの指標でKPIといえるか?

これまでの日本の営業活動は、1日の訪問軒数、お客様との接触頻度・接触時間といった営業量(A)の目標設定がほとんどでした。これはかつての日本経済が急成長していた60年代後半から70年代にかけての名残です。経済自体が急成長している時期においては、市場自体が拡大しているわけですから、営業量・活動量を増やせば当然結果につながりました。

しかし、現在の日本国内市場は、拡大どころか縮小しています。当然拡大している産業もありますが、多くの産業が縮小しており、各産業の市場規模をすべて足し合わせると確実に国内市場は縮小しています。

その原因は人口の減少です。ご存知の通り日本の人口は2008年をピークに減少し、近年では年間数十万人のペースで減少しています。人口は需要の原点です。その人口が日本では大きく減少している。この中で、営業量・活動量を増やすだけでは目標達成につながりません。

ただ、営業量(A)として重要なのは、各営業担当者が抱えている案件の量です。いくら訪問件数を増やしても案件の量が増えないことには成約の量も増えません。

次のグラフは、ある企業のA担当者とB担当者の進行中の案件を営業プロセスごとに表示したものです。
A担当者

B担当者

最初の営業プロセス(人間関係構築)において、A担当者は42件の案件が進行中であり、B担当者は75件の案件が進行中だということです。次の営業プロセス(現状把握~理想の状態の情報収集)においては、A担当者は40件の案件が進行中であり、B担当者は73件の案件が進行中だということを意味しています。

わかりやすく言えば、あるメーカーが製品を完成させるまでに7つの製造工程があり、その各工程での作業の仕掛数を表しているのと同じです。どちらの方が完成品の数が多くなるかは一目瞭然です。
これではA担当者とB担当者の売上に大きな差が生まれてもおかしくありません。

A担当者の案件数が少ないのは、行動量・訪問件数が少ないがゆえに案件数が少ないのか、それともそもそも担当するターゲット数自体が少ないのかといった原因を掘り下げるとともに、全体の平均値を参考にしながら行動改善につなげる必要があります。

営業量(A)では、上記のように営業量・活動量のみならず、目標を達成することに向けた進行中の案件数をマネジメントすることも重要です。しかし、いくら進行中の案件数が多くても、成約に向けての精度が高くなければ意味がありません。この精度にあたるものが次にご紹介する営業質(Q)です。

効果を発揮するKPI設定のポイントは営業質(Q)

営業質(Q)とは、一訪問の中味を濃くすること、強いて言うならばその訪問目的が何なのかということを明確にすることです。顧客となかなか面談機会さえ得ることが困難な中で、一回の訪問の中味を充実させることが必須です。

訪問目的は営業プロセスの各プロセスのことであり、訪問目的が明確になることで営業サイクルを回す活動が生まれます。そうすることで、結果的に一訪問の中味が濃くなるということは、営業プロセスの設定で営業活動を見える化する のところで既にご紹介しました。

営業プロセスの設定で営業活動を見える化する

 

つまり、前出の進行中の案件について訪問目的を明確にし、その訪問目的を達成するための事前準備を行うことで、精度高く次の営業プロセスにステップアップすることが必要です。
前出のA担当者とB担当者の営業質(Q)を見てみましょう。
黄色のグラフ:人間関係構築が出来た案件の中でニーズの確認が出来た案件の割合
灰色のグラフ:ニーズの確認が出来た案件の中で提案が出来た案件の割合
オレンジのグラフ:提案した案件の中で成約に至った案件の割合
青色のグラフ:人間関係構築が出来た案件の中で成約に至った案件の割合

A担当者

B担当者

人間関係を作りながらニーズの把握(黄色のグラフ)まで、A担当者は82.7%、B担当者は81.4%の確率でステップアップしているということです。同じようにニーズ把握から提案(灰色のグラフ)まで、A担当者は85.5%、B担当者は82.9%の確率でステップアップしており、両者に大差はありません。

しかし、次のプロセスに大きな差が見えます。
提案してから成約に至った確率(オレンジのグラフ)は、A担当者は71.7%%であるのに対し、B担当者は37.9%の確率です。つまり、B担当者には提案から成約のプロセスのスキルアップが必要だということが言えます。このスキルアップには、確率が高い担当者のOJTを受けたり、ロールプレイングなどが考えられます。
こういった次のプロセスへ移行できる確率のことを「昇華率」といいます。

その結果、人間関係が構築できた案件の中で成約に至る確率(青色のグラフ)は、A担当者では50.7%、B担当者は25.7%の大差がついています。A担当者は関係性さえできれば約半分は受注してくるが、B担当者は1/4しか受注できないというおおよその見込みが立ちます。

ここまでのところA担当者は案件数が少なく昇華率が高いということが把握できました。つまり、案件量は少ないが営業スキルは高いということです。ということは、案件数さえ増やせれば受注件数を増やせるポテンシャルを持っているということが言えます。

一方、B担当者においては、案件数はあるが昇華率が低いということが把握できました。ということは営業スキル、特に提案から成約に至るプロセスのスキルアップが出来れば、受注件数を増やせるポテンシャルがあるといえます。

営業量(A)だけ、営業質(Q)だけではなく両方を営業担当者ごとに見ていくことで、目標達成に向けた各担当者の具体的課題と管理者からの指示が出来るようになることもKPIという指標設定の重要な役割です。

営業活動の生産性向上に重要な効率分析

営業量(A)、営業質(Q)について説明してきましたが、KPIの設定には効率性(E)が非常に重要になってきました。
2019年度より、働き方改革関連法案の一部が施行され、企業においては生産性向上が必須となりました。そして昨今のwithコロナによるオンライン商談などが増える中で、営業活動の効率が求められています。
つまり、これまでよりも短い時間で今まで以上の成果を出すことを迫られているということです。

では、効率性についてのKPIは、どういった内容を設定すればよいのかということになりますが、それは“営業生産性”を設定することをお勧めします。
営業生産性については、営業活動時間を効率化する3つのポイント をご覧ください。

営業活動時間を効率化する3つのポイント

 

商談稼働率:労働時間を有効に使い、有効な商談時間を増やしたか
商談効率:効率よく売上アップにつながる商談が出来ているか
ということを見る指標でした。
これをグラフにすると次の4つのマトリクスに分類できます。(赤いラインは部門平均です)
営業担当者個々に分析します。営業担当者Ⅰ~Ⅳの4名がそれぞれの象限に分類されたとします。

Ⅰの営業担当者は、商談効率が高く商談稼働時間が部門平均よりも低いということを示しています。
Ⅱの営業担当者は、商談効率も高く商談稼働率も高く、理想とする効率的な営業活動が出来ていることを示しています。
Ⅲの営業担当者は、商談稼働率は高いが商談効率が低いということを示しています。
Ⅳの営業担当者は、商談稼働率も商談効率も低いということを示しています。

商談効率が高い要因として、
①購買規模の大きい顧客を担当している。
②大型案件に営業活動を集中している
③訪問目的を明確にして入念に準備することで、訪問効率が高い営業をしている
ことが考えられます。
ということは、Ⅲ、Ⅳ象限の営業担当者は①~③になっているかをチェックする必要があります。

商談稼働率が高い要因として
④計画的な行動が出来ており、労働時間の中に無駄な時間の使い方がない
⑤本来営業がやるべき業務に時間が費やせている
⑥営業アシスタントの使い方、関連部門の巻き込み方や仕事の振り方がうまい
ことが考えられます。
ということは、Ⅰ、Ⅳ象限の営業担当者は、④~⑥になっているかをチェックします。
そして、Ⅱ象限の営業担当者の行動を分析し、ベンチマーク化してKPI設定することが重要です。

売上目標達成にはEQA視点でKPI設定とマネジメントを

営業活動が売上に直結している様に、KPIの設定もマネジメントに直結していなければ意味がありません。
そこでこれまでご紹介したように、KPI設定にはEQA(E:効率性、Q:営業質、A:営業量)の3つの視点が織り込まれている必要があります。

EQAについて、次の内容を前年の部門データを分析したうえでKPIとして設定されることをお勧めします。
E:効率性 ⇒ 営業生産性(商談効率・商談稼働率)
Q:営業質 ⇒ 昇華率
A:営業量 ⇒ 訪問軒数・案件数

これらを営業拠点単位と営業担当者ごとに把握し、営業拠点として改善すべき行動を営業拠点長が把握します。そして、拠点内の各営業担当者のポテンシャルを確認し、具体的行動改善指示を出すことでKPIとしてのEQAを高める活動をすることが、売上目標達成の近道です。

 

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