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2021.01.18

営業管理で成果をあげる4つのマネジメントポイント

 

営業活動の成果である売上を集計することが営業管理ではありません。数字結果が出る前に、成果につながる営業担当者の行動をコントロールすることが管理者の仕事です。営業管理とは部下の行動管理のことです。効果的な行動管理に必要な4つのポイントをご紹介します。

一般的な概念として営業管理という組織をいう場合は、売上額や粗利額、粗利率といった営業数字の集計をつかさどる部署を意味する場合もありますが、ここでは営業管理者が行う営業のマネジメントとして営業管理を扱うことにします。

では、営業管理者が行う営業管理とは何をすることでしょうか?

通常、売上の集計や分析をすることとお考えの方が多いようですが、そうではありません。営業管理を営業マネジメントと読み替えてください。そうすれば、営業管理の本質が見えて来ます。

そもそもマネジメントとは、“部下育成・部下支援”のことです。

“部下育成”とは、管理者自身よりもできる部下を育てること。

“部下支援”とは、部下が成果を出せるようにサポートすること。

ではどういった仕組みを作れば、営業活動の改善や案件を売上に結びつける“部下育成・部下支援”になるのかを解説していきます。

営業管理の入り口は組織共通の営業活動設計から

一般的に営業活動は、個々の担当者の経験値や場数によってパターン化されたもので、形式知化できないものとされています。しかし、各業界、各社のトップを走る営業担当者が実践している共通の営業のプロセスというものがあります。
この営業のプロセスは、効率的に成果に結びつけるための営業活動を段階的に明示したものです。

営業プロセス

業種によってこの営業プロセスは若干異なりますが、通常は上記のようなものになります。
ここに明示されている各プロセスは、訪問目的でもあります。つまり、効率的に成約につなげようと思うと、何のために訪問するのかという訪問の目的が明確でなければ、お客様のもとへ行くことが目的になってしまいます。
これでは、時間を費やす意味がありません。訪問目的なきところに営業は成り立ちません。

訪問目的が明確になると、その訪問目的を達成するために事前準備をし、訪問した際に何をするのか、会社に戻ってからどんなフォローをするのかといったBefore営業、On営業、After営業という、ToDoリストが出来ます。これを営業サイクルといいます。

営業サイクル

BOAサイクル

文章化しているかどうかは別として、トップ営業はプロセスとサイクルを設定し、愚直に実践しているからトップを走っているのです。

営業担当者は、目標未達ですと必ず“ガンバレ”と発破をかけられます。しかし、商談において何をどう頑張ればよいのかわからず、迷路に迷い込むのです。どんな行動をすべきか、何を準備すべきかという基本的な道標が「営業プロセス・営業サイクル」です。

しかし、営業の組織として営業プロセスと営業サイクルを設定している会社は、日本にはほとんどありません。多くの外資系企業では、営業担当者の基礎教育に取り入れられています。

営業プロセス、営業サイクルが営業組織全体の基本ルールと設定されていれば、営業は営業結果から自身の営業活動の修正点を見出すことが出来ます。

・今回の案件は、なぜうまくいかなかったのか?
・こんなに競合がひしめく難しい案件をなぜ受注できたのか?

営業組織のルールとして設定された営業プロセスと営業サイクルに照らし合わせれば、その失敗、成功要因が明確になるものです。

・やはり事前の情報収集が薄かった、、、
・顧客ニーズを徹底的に洗い出せたのが成約につながったのではないか、、、
特に若手営業の育成においては必須の営業設計です。

つまり、営業プロセス、営業サイクルは、セルフマネジメントツールであり、営業活動の基軸でもあるということです。
これがあるだけで、“次の案件ではこれにトライしてみよう” “これだけは怠らないようにしよう” というように自己の営業活動への改善意欲がわいてきます。

営業の基軸がなければ、反省も修正点も見いだせません。
会社の営業活動の物差しである営業プロセス、営業サイクルがあるから自身で反省と修正点を見出す思考が生まれるのです。

と同時に、自身の営業活動を見直すことでお客様の反応が変わることを自覚します。営業担当者にとって、これが非常に大きなインパクトになります。
自身が変わる → お客様の反応が変わる → 自身の意識が変わる → やり続けることが出来る
というサイクルが生まれてくるところまで徹底して実践させることが出来れば、営業組織は大きな転換点を迎えることが出来ます。

一方、営業管理者からすれば、各担当者の営業プロセス上の得手不得手をデータ分析によって把握することが出来ます。
詳細記事は、営業マネジメントに使える適切なKPIの設定方法 をご覧ください。

営業マネジメントに使える適切なKPIの設定方法

 

営業組織による営業活動の設計力と営業管理者のマネジメント力が、この成否を分けるといってもいいかもしれません。ここが部下育成の入り口です。

効率営業を実現するKPIの設定

KPIとは、目標達成のためのマイルストーンです。つまり目標達成に直結する通過点を示したものです。ですので現場で活用すべき非常に重要な指標になります。

KPIにもいろいろありますが、マネジメントと直結するKPI設定としてEQA(E:効率性、Q:営業質、A:営業量)をお勧めしています。
〈E:効率性〉
“働き方改革”“コロナ禍におけるオンライン商談”といった業務環境から言えば、効率性の改善は間違いなく必要です。効率性を示す指標として「営業生産性」をご紹介します。
営業生産性とは、費やした総労働時間でどれだけの売上を達成したかを見る指標です。この営業生産性は二つの軸を設定してグラフ化して時間効率の営業情報を把握するのに役立ちます。

縦軸に商談効率を、横軸に商談稼働率を取ります。

商談効率は、売上÷有効商談時間 で表され、有効商談時間当たりの売上高を意味します。つまり、どれだけ事前準備を行い中身の濃いい商談であったかということを表し、前出の「営業サイクル」の実践具合で大きく変化します。
商談稼働率は、有効商談時間÷総労働時間 で表され、総労働時間における有効商談時間の割合を意味します。つまり、営業としてどれだけ労働時間を有効に使ったかを表します。

この2軸によって、商談効率、商談稼働率ともに高い右上のターゲットゾーンが目指すべきところであることが確認できます。よってそれぞれのゾーンごとに営業活動の改善課題が見いだされます。

左上のゾーン:中身の濃い商談が出来るわけですから、有効商談の時間さえ増やすことが出来れば、売上を伸ばせる可能性があるといえます。
右下のゾーン:有効商談時間は取れていますので、大型案件に集中して「営業サイクル」の訪問目的にしたがって「営業サイクル」により事前準備を入念に行うことで、売上を伸ばせる可能性があります。
左下のゾーン:一気に右上のゾーンには行けませんので、まずは右下のゾーンを目指し、会社、組織の機能を把握したうえで、有効商談に費やせる時間を確保できるようアサインする能力を養います。

こういった2軸のグラフ化で、各営業担当者の行動改善と部下育成のポイントを把握することが、営業マネジメントには必要です。

営業生産性について詳しくは、営業活動時間を効率化する3つのポイント
営業マネジメントに使える適切なKPIの設定方法 をご覧ください。

営業活動時間を効率化する3つのポイント

営業マネジメントに使える適切なKPIの設定方法

 

〈Q:営業質〉
どれだけ高い確度で各案件を成約に結びつけることが出来たかを確認する指標です。前出の営業プロセスに則って、各プロセスから次のプロセスに移行した確度を数値化したものです。

次のグラフは、ある営業担当者の営業質を測ったものです。
黄色のグラフ:1のステップから2のステップに移行できた割合
灰色のグラフ:2のステップから3のステップに移行できた割合
オレンジのグラフ:3のステップから4のステップに移行できた割合
青色のグラフ:4のステップから5のステップに移行できた割合
 

こういった次のプロセスに移行する確度のことを「昇華率」いいます。
このグラフでは、灰色のグラフからオレンジ色のグラフにかけて一気に確度が減少しています。つまり3→4のステップがボトルネックだということです。この営業担当者は、4のステップに対するスキルを磨けば高い確度で成約することが見込まれます。ここに部下育成の指導ポイントが隠されています。

具体的には、このプロセスで高い確率を持つ担当者のOJTを受けさせたり、ロールプレイングによってスキルアップを目指します。組織全体のスキルの底上げにつながります。
 
〈A:営業量〉
1日、1ヶ月の訪問軒数に代表されるのが営業量です。訪問軒数も大事なのですが、もう一つ重要な指標が案件量です。現在営業担当者がかかえている案件の数です。これも営業プロセスごとにどれくらいのボリュームの案件をかかえているかを確認し、組織全体のこれまでの平均値と比較しながら目標値化することです。
 

いくら昇華率が高くても、かかえている案件のボリュームが少なければ大きな売上は見込めません。
この案件ボリュームが少なければ、新たなターゲットリストにトライさせるといったことが必要になります。

「昇華率」の代用ツールとして“星取表”を活用

前出の「昇華率」を把握するまでには幾分の時間がかかりそうと思われる場合は、“星取表”という代用ツールを使います。簡潔ですが営業担当者のスキルを見極めるうえで、非常に有効なツールです。

それぞれ評価基準は
・人に教えることが出来るレベル  ・・・◎
・本人一人で完結できるレベル   ・・・○
・支援があればなんとかできるレベル・・・△
・出来ない            ・・・×
この4種類のみです。

 

前半に商品知識、後半が営業プロセスごとの評価です。この評価基準で客観的に評価してみてください。
これだけでも各営業担当者の育成ポイントが把握できます。

部下支援につながる上流営業

「上流営業」という言葉をご存知でしょうか。
顧客の上層部と自社の上層部の関係を密にして、現場の営業を進めやすくする部下支援の一つです。
顧客の窓口担当者と自社の営業担当者の1対1の関係よりも、複数と複数、組織と組織の関係にした方が明らかに密な関係性が構築できます。成果の出やすい関係を管理者自ら作るということです。

ある企業では、各営業担当者に年間2社を目標に上流営業を実施しています。
その為には、これまでにどんな取引をしてきたのかという取引明細を一覧にした“コンタクトシート”と顧客の組織図と各部署の責任者間の関係性などを明記した“相関マップ”を作成し、取引、組織、顧客組織の責任者間の関係性を把握してから上流営業を行っています。
これも営業担当者が現場でスムーズに営業できるための後ろ盾になります。

成果をあげる4つのマネジメントポイントのまとめ

営業管理で成果をあげるには、4つのマネジメントポイントがあります。
1.営業プロセスと営業サイクルを設定して組織として営業活動を見える化する
2.マネジメントに直結するEQAをもとにしたKPIを設定する
3.“星取表”を活用してまずは部下育成のポイントを把握する
4.顧客関係性を密にする上流営業に管理者自ら取り掛かる
以上、すぐに出来ること、多少時間を要することもありますが、どれからでも結構です。まずは行動に移すことです。行動しなければ見えてこないことが多々あります。
営業に実践行動が求められるように、営業管理にも実践行動が求められています。

 

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しかし、

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営業は科学です。成約に向けて行うべき活動プロセスを確実に上ることで、一定の成果が出せます。科学だということは、再現性があるということです。このブラックボックスになっている活動プロセスを可視化する方法とその効果についてお伝えしています。

営業の生産性向上には、属人的営業活動から組織営業へのシフトが必要です。それは、経験・勘・度胸といった根性型営業から、データ、科学、計画といった科学的営業へのシフトを意味しています。営業の生産性を向上させる組織営業の可視化手法を紹介します。

営業はとにかく“ガンバレ”という言葉に踊らされます。しかし何をどう頑張れば良いのかが明らかではありません。このブラックボックスになっている営業活動の中味を見える化したものが営業プロセスです。営業力を強化するプロセスの設定法を紹介します。

ただ単に営業活動時間や訪問量さえ増やせば結果が伴うわけではありません。営業量の増やし方というものがあります。その指標として「商談効率」「商談稼働率」と「営業生産性」の3つがあります。この3つの指標を管理するだけで営業効率が大きく向上します。

営業活動のKPIは、訪問軒数といった営業量(A)だけを増やすのではなく、営業プロセスの順守といった営業質(Q)と共に、“働き方改革”・“withコロナ”の中で効率性(E)を高めることを目的にした設定が重要です。目標達成に向けたKPI設定の方法を紹介します。

営業活動にはセオリーがあります。営業組織全体がセオリーを学ぶには、単発の断片的な研修ではなく、中長期視点での体系化された研修プログラムが必要です。高度な営業スキルの前に、このセオリーに則った「型」を身につけることが現場力を強化するポイントです。

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