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2021.01.18

組織力強化に必須の営業マネジメントスキルとは?

 

営業マネジメントには、“情報を収集する仕組み”と、それを活用して具体的行動を指示するマネージャーのスキルが必要です。これは、企業としてのチーム力形成にも重要な役割を担っています。組織営業力を強化する営業マネジメントスキルについて解説します。

BANTという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。営業案件情報として必須の項目です。
B・・・Budget:予算
A・・・Authority:本案件に持つ権限
N・・・Needs:必要性・課題
T・・・Timeframe:導入時期
のことを言います。
営業担当者は、出来るだけ早期に顧客接点からこれらの情報を収集してくる必要があります。

ただ、このBANT情報だけでは、売上を可視化する情報としてはいくつか不足があります。
売上可視化に必要な情報は次の5つです。

営業マネジメントに必要な“売上を可視化する5つの情報”

①先行金額:お客様の予算(上記のBudget)
②受注時期:お客様からすればどの取引先に発注をするのかという意思決定の時期
③売上時期:売上計上できる時期(BtoBビジネスの場合、納品時期が売上時期となります)(上記のTimeframe)
④受注確度:受注できそうな確率
⑤親密度 :お客様との関係性

①の先行金額はお客様の予算ですから、受注できればこの金額全てが売上に計上されます。

④の受注確度は、受注できる確率を数字で表します。しかし、この受注確度が非常に重要で、営業担当者の感覚に任せていては正確な確度が出てきません。
弊社の指導先では、S~Dまでの5ランクの設定があり、その設定のポイントはお客様のリアクションです。そしてSのリアクションに該当する場合は90%、Aのリアクションに該当する場合は70%というように設定しています。

実はこの数字設定が重要です。
原材料のような製品の場合、自社の製品をご購入いただいても他社からも購入される可能性がある場合は、①の先行金額と④の受注確度を掛け合わせて見込み売上を計算します。

機械製品のように、自社の製品が購入されれば他社の製品が入る余地がない場合、見込み売上金額の積算対象を受注確度70%以上の全案件を集計し、金額は①の先行金額全額を計算します。

そして、積算対象になった見込み売上額を③の売上時期に計上していきます。
こうすることで、
・どの案件が
・どれくらいのボリュームで
・いつ
売上にあがりそうかを計測しています。
ですから、今日現在でこの先の売上が可視化することが出来るようになるのです。

⑤の親密度は、お客様とどういう関係になっているかをA~Dのランク設定し、各ランクの定義を文章化して該当する関係を明確にしています。

これは、④受注確度との連動性を確認するためのものです。受注確度が高いにもかかわらず親密度が低いということは通常考えられません。
逆のパターンはあり得ます。親密度は高いが受注確度が低いという場合です。これは、競合他社がモデルチェンジなどのタイミングでダンピングする場合などです。しかし、受注確度が高く親密度が低いというケースはレアです。つまり受注確度の正確性をチェックするために必要な情報です。

こういった管理手法を「先行情報管理」といいます。

ところで、まだ②の受注時期の説明が残っていました。
これは営業管理者の役割である「部下支援」に活用できるもので、組織営業において非常に重要な内容です。

ここでは、未来の売上を可視化する「先行情報管理」の考え方をお伝えします。

売上可視化に必要な情報は
①先行金額:お客様の予算(上記のBudget)
②受注時期:お客様からすればどの取引先に発注をするのかという意思決定の時期
③売上時期:売上計上できる時期(BtoBビジネスの場合納品時期が売上時期となります)(上記のTimeframe)
④受注確度:受注できそうな確率
⑤親密度 :お客様との関係性
の5つでした。

①先行金額×④受注確度×③売上時期で
・どの案件が
・どれくらいのボリュームで
・いつ
売上にあがりそうかが計測出来ます。

②受注時期は、お客様がどの取引先に発注をするかという意思決定の時期です。
BtoBビジネスでは、②の受注時時期と③の売上時期は異なる場合が多いです。
例えば、10月に意思決定をしていただいて受注できたとしても、納品が12月であれば売上は12月となります。
ですから、受注時期と売上時期両方の情報が必要です。

成果を出す逆算の行動目標管理

当然のことながら営業は、お客様のこの意思決定の時期に向かって営業活動をしていくわけです。
このお客様の意思決定の時期までに営業プロセスの提案活動を終えていなければなりません。
受注に向けた営業活動の終着時期がこの受注時期です。

ということは、何が何でもこの受注時期までに営業プロセスの各プロセスを登っていかなければなりません。
つまり、この受注時期から逆算して、いつまでにどのプロセスを通過しておかなければならないかという各プロセスの通過リミットが設定できるということです。
ですから、この②受注時期の情報は、お客様との接点から早い時期に情報収集する必要があります。

受注時期から各プロセスの通過リミットが確認できたならば、その通過期限を訪問計画に設定します。こうすることで、日々の営業活動の結果、順調に営業プロセスを登り予定通り進んでいるのか、それとも予定より遅れているのかを営業管理者が把握できるようになります。

例えば現在が5月で10月にお客様が意思決定をされるならば、6月には人間関係構築を、7月には現状把握を、8月にはニーズ把握を、9月には提案を終えておかなければならないということです。

順調に進んでいればよいですが、予定より遅れていれば現場で何らかの問題が生じている可能性があります。この問題を解決するとともに、営業プロセスを当初設定した予定通りのペースに戻せるよう、管理者自身が同行するなりしてプロセスアップの障壁を取り除き、結果に結びつくよう「部下支援」を行うことが営業マネジメントなのです。

そして、この「先行情報管理」から、翌々月12月の見込売上がまだ1000万円不足しているとなれば、③売上時期のデータから12月に売上予定をしている案件を抽出し、その案件の②受注時期データを確認したうえで、部下に対してどの顧客をターゲットにし、いつまでにどのステップまで登っていくのかを具体的に指示していきます。これが具体的行動の指示です。
指導先では、毎週月曜日にマネージャーが部下に対してデータを確認しながらこの指導を行っています。

これが行動マネジメントであり、結果集計や結果分析のマネジメントとは雲泥の差となって現れます。
これが本当の組織営業です。

30か月以上にわたって毎月連続で売上目標を達成している企業のマネジメントは、この行動マネジメントを行っています。

組織営業を実現するうえで、営業のマネジメント設計は非常に重要な意味を持ちます。
マネジメントも仕組みを作ることで論理的に、科学的に行うことが出来ます。

組織のモチベーションを上げる「部下育成」の具体的活動

では「部下育成」について事例を交えながらお伝えします。
「部下育成」ですが、部下それぞれに営業活動における特徴があり、また得意分野もバラバラです。
こういった部下の特性をマネジメントの仕組みの中から見出すことが出来ます。

次の表は、営業活動の設計についてお伝えした際にご覧いただいた営業プロセスです。

Aさん、Bさんともに100件の案件を渡したとしましょう。
Aさんは提案プロセスまで、高い確率で登っていきますが、提案から成約のプロセスでは10%(5件÷50件)の確率と極端に落ち込みます。つまり、「提案」のプロセスがボトルネックになっており、このプロセスを改善できれば成約件数は大きく改善されると予測できます。

一方、Bさんは「提案」さえできれば100%(10件÷10件)の確率で契約につなぐことが出来るほど提案力があります。ここだけを見れば優秀なのですが、そこまでの前のプロセスの確率が非常に低い状態です。Bさんにおいては、提案までの各プロセスのスキル強化が課題です。

「昇華率」の把握で営業能力を強化するマネージャーのスキル

この様に営業活動の設計が出来ていれば、だれがどのプロセスを得意とし、どのプロセスが増えてなのかを数字で把握することが出来ます。この各プロセスを登っていく率を「昇華率」と呼んでいます。

この「昇華率」を把握できれば、Aさんが提案に行く際は、見本になる部下を同行させ現場でOJTを繰り返せばAさんの提案力が高まるでしょうし、Bさんが人間関係構築や現状把握といったプロセスにあるときは、このプロセスを得意とする部下を同行させることによって、このプロセスを不得手とするBさんのスキルも向上させることが出来ます。

こういった「昇華率」データを計測し、部下の得手不得手を把握しながら、誰を同行させるかという指示を出せるのは、営業管理者しかいないのです。

こういった活動が本当の組織営業であり、営業管理者の役割なのです。
これこそがチーム営業というものです。

しかし、ながらいきなり「昇華率」を計測といっても、マネジメントの仕組みが整っていない中でどうしたものかと思われた方も多いと思います。
そこで、次では今すぐに部下のスキルレベル、得手不得手を把握する方法について解説します。

以上の観点からも営業プロセスの設計がいかに重要であり、これが営業活動の設計の根本になっていることがご理解いただけたかと思います。
営業は、気合・根性だけで行うものではありません。
営業は科学です。サイエンスです。ということは数字で把握できるものが多くあり、科学である以上、論理と再現性があるということです。

次は部下のスキルレベル、得手不得手を把握する方法について解説します。

効果抜群!すぐ出来るチームのスキルマップ「星取表」の活用

「昇華率」の話をお伝えしましたが、いきなりそういったデータを取ることも仕組みもできないと思います。しかし、仕組みがなくてもアナログですが、スキルレベルを確認することが出来ます。
それが「星取表」というスキル診断をする一覧表です。

では「星取表」の作成の仕方についてお伝えします。
図のような一覧を作成します。
縦軸に部下の名前を、横軸には商品知識及び自社の営業プロセスを記入します。

商品知識の商品名は、自社の重点商品でもいいですし、自社の売れ筋製品や売上構成比の上位製品でもよいです。
また、直近3年間に発売された製品にしている企業さんもあります。
自社の重要視している商品、製品を記入してください。

営業プロセスは、自社で設定した営業プロセスを

全て記入してください。
そして、それぞれ評価基準は
・人に教えることが出来るレベル  ・・・◎
・本人一人で完結できるレベル   ・・・○
・支援があればなんとかできるレベル・・・△
・出来ない            ・・・×
この4種類のみです。

この評価基準で客観的に評価してみてください。
どの企業さんも最初は妥当な分析ができるのかと疑心暗鬼ですが、皆さん驚かれます。非常に簡単ですが、的を射た結果が出てきます。
これだけでも部下のスキルレベルを把握できますし、商品知識が必要な製品や強化すべき営業プロセスの把握が可能になります。

この分析から、商品知識不足を痛感したとあるメーカーさんでは、オンラインでの教育を開始し、初級、中級、上級の知識ランクを設け、その結果を人事評価に組み込んだ会社もあります。
その起点はこの「星取表」でした。

仕組みがない、データがないからしないのではなく、この様に出来ることから取り掛かるべきだと思います。
本当に営業組織変革、組織営業へのシフトをお考えでしたら、取り組む価値はあると思います。

モチベーションを高める「同じ釜の飯を食う仲間」はもう幻か?

人手不足、中途採用の活性化、、、
かつての終身雇用の崩壊がもたらした人材の流動化、この現象が激しくなっていることは、現実のこととしてご理解いただけると思います。
・キャリアアップのための転職の活性化
・中途採用斡旋企業の台頭
・慢性的人材不足

その結果組、織内にどういった問題が顕在化してきているか、、、
・帰属意識の低下
・共通の通過体験が乏しいが故のチーム力の低下

かつての日本の高度経済成長期、1960年代から70年代です。この時期は箱物行政といわれ、国内どこへ行っても公共施設の建設ラッシュでした。この箱物行政が経済成長のエンジンになっていた事実があります。
この建設ラッシュでわいた建設業界ですが、あらゆる技術が飛躍的に向上した現在の方が建設現場での事故率が高いといわれています。

高度経済成長期よりも技術レベルが上がった今の方がなぜ事故率が高いのでしょうか?不思議ですね?
その理由が次のように言われています。

当時の建設業界は、一つの建設現場には必ず“飯場”と言って、プレハブの宿泊施設が建てられていました。この“飯場”は、工事期間中の数年にも及ぶ期間、親方と現場作業者が寝食を共にする施設です。

毎日一緒に食事をし、寝起きも一緒でそれこそ年中合宿しているような状態です。
この環境の中でお酒を酌み交わし、コミュニケーションも活発に行われ、その結果「以心伝心」、言葉にできにくいことまで相手の心に伝えていたといいます。“同じ釜の飯を食う”とはよく言ったものです。
この環境が結果として事故を未然に防いでいたといわれています。

ところが、当時よりも技術レベルの高い現在はどうかというと、“飯場”に相当するような環境がありません。
現場作業者の方は、ほとんどが通勤です。寝食を共にする環境などありません。よってコミュニケーションの機会も決して多いとは言えません。
その結果、事故率が現在の方が高い理由ではないかといわれています。

つまり、「共通の通過体験の差」がコミュニケーションや意思疎通に大きな障害をもたらしているということです。仲間で創業した会社が成長し、いまや日本を代表する企業に成長した秘話の中には、必ず創業メンバー内に共通の通過体験があります。これが一体感であり企業哲学にまで昇華されています。

社内に共通の通過体験がどれほどあるか?

話を戻します。現在の社内のメンバーを振り返ってください。
プロパー社員は別として、それぞれのメンバーを見たときに、どれほど共通の勤続通過期間があるでしょうか。共通の勤続通過期間の重なりの少なさに驚かされるのではないでしょうか。

これから営業組織にあらゆる「仕組み」が導入され、一体となって組織営業を実現しようとするときに、その素地が整っていませんと施策も不発に終わる可能性があります。

次の資料はとある会社の組織の実態を表すサーベイ(組織調査)の結果ですが、「目的の共有」や「リーダーシップ・マネジメント」「人間関係」に課題があることが把握できます。(青ライン:平均値、赤ライン:A社値)

こういった課題を把握しつつ、この課題を埋めていくために体感研修を実施するケースが非常に増えています。

この体感研修とは、知識やスキルを手に入れる座学の研修ではなく、組織で動くには “こういうことが重要だな” “こういうところに気を付ける必要があるな”といったことを体験として、ゲームを通じて感じてもらう研修です。

つまり、組織としての共通体験を得てもらう場として、こういった体感研修があります。

この研修をチームビルディング研修といいます。

いくら優秀な営業担当者がいたとしても、モチベーションを上げませんと自発性をなくすということです。

これも営業組織マネジメントの一つです。

 

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