2023.06.09
1営業活動の可視化|生産性向上に向けた営業の科学的仕組み
営業の生産性向上には、属人的営業活動から組織営業へのシフトが必要です。それは、経験・勘・度胸といった根性型営業から、データ、科学、計画といった科学的営業へのシフトを意味しています。営業の生産性を向上させることは、営業力、営業活動時間を効率化することであり目標達成における重要な要素です。目標達成にむけた組織営業の可視化手法を紹介します。
営業の可視化は営業活動の設計から
属人的営業の蔓延は、担当者の個人能力に依存した放任営業の結果です。
放任営業の原因は、営業活動を組織共通の活動として可視化してこなかったことにあります。
有給の取得、長時間労働の解消、テレワークの拡大と生産性向上が求められている中で、
効率的な営業活動のモデルを示せない企業では、人材の流出に歯止めが利かなくなります。
そこで、営業活動の設計の枠組みがこの図です。
組織営業で業績の向上を実現するには「マーケット対応力」「マネジメント力」「モチベーション力」という3つの力が必要ですですが、その根幹の考え方が「マーケット対応力」です。
「マーケット対応力」は、〈効率的営業活動の「仕組み」〉であり、
「マネジメント力」は、〈行動マネジメントの「仕組み」〉です。
そして「モチベーション力」は、〈自活経営の「仕組み」〉のことを言います。
では、ここでは「マーケット対応力」について説明していきましょう。
「マーケット対応力」というのは、マーケット、つまり市場というのは絶えず変化しています。
この市場変化のスピードが近年特に激しくなっています。
この大きな変化を伴う市場で、短期間に業績を上げるための要素を因数分解したものが
戦略、営業「質」、営業「量」ということです。
売上向上に効果的な顧客ターゲティングが「戦略」であり、そのターゲット顧客の案件に対し、
受注に向けてどういったプロセスで商談を進めるのかを可視化したものが営業「質」であり、
どれだけの時間や訪問軒数を目標に活動するのかという営業「量」をルール化することで、
売上目標達成に向けた方法を明示することが出来ます。
ある意味これが営業方針です。
そして売上目標達成には、管理者による「マネジメント力」がなければ、
その営業方針と目標達成を維持し続けることが出来ません。
マネジメントとは、決して管理ではありません。“部下育成”と“部下支援”のことを言います。
同時に営業組織の「モチベーション力」を上げなければ、自ら行動を起こす自発力がなくなります。
これが、営業活動の設計の枠組みです。
営業「質」とは営業担当者個人のスキルでもあり、一訪問の中味を濃くすることでもあり、
訪問目的を明確にすることでもあります。
この営業「質」については、所作や礼儀作法、言葉遣いやコミュニケーションといった基礎能力です。
営業「量」とは、攻略すべき重要な先とそうでない先に対する訪問頻度、滞在時間に格差を設けて、
重要な先程面談量を増やすという営業行為です。
しかしながら、ベテラン営業は1日2件、若手営業は1日7件といった営業「量」格差がある会社も
多く見受けられます。
それは、営業組織として共通のルール化がなされていないことが原因です。
ベテランは大口の優良顧客を担当しているため、たとえ1日2件の訪問でも目標達成してしまします。
しかし、そういった優良顧客を担当させてもらえない若手営業は数多く「量」を回りませんと
目標達成ができません。
これは営業組織上の問題です。
1日の訪問件数、顧客先滞在時間という目標化は、営業組織全体の共通の目標としない限り、
営業「量」の不均衡は是正されません。
若手営業のモチベーションが上がりません。この営業「量」のルール化をグランドルールといいます。
ですから戦略に則って営業「質」と営業「量」を上げることで、大きな成果を生み出し、
戦略目標が営業活動の効率化にダイレクトにつながることになります。
成果に直結する営業方針があるか?
戦略は会社としての意思決定であり、営業組織上の方針です。
これらのテーマに沿った重要な意思決定や方針決定をしていく場が組織内になかったり、
その場があったとしても“慣性力”が働いた中で、“何となく決定される”ということが往々にあります。
“慣性力”とは、これまではこうしてきた、これまでの経験、慣習からするとこうだ!という何も変えない、
過去を引きずったまま未来を見据えようとする目に見えない組織の力です。
市場がこれほど大きく変化しているにもかかわらず。
“何となく決定される”というのは、論理性を伴わない旧KKD(経験・勘・度胸)で
意思決定されているということです。
経験:自身の活動の中から培った豊富な知識
勘 :過去の業務上の経験に裏打ちされた発想力
度胸:直観力、感覚力に頼った決断
のことを言います。
これから先の企業経営において、旧KKDでどこまで通用するでしょうか。
旧KKを完全に否定するつもりはありません。経験・勘・度胸が必要なシーンが営業の世界にあるのも事実です。
しかし、旧KKDだけでは通用しなくなるのは市場環境の変化、営業の現場活動の変化からも明らかです。
そこで新KKDの考え方を主体的に取り入れる必要があります。
新KKDとは、
あらゆるデータ(D)を
科学的に分析し(K)
計画に則った活動(K)を 行うことを言います。
売上の向上、目標達成には、この新KKDの思想のもと、この意思決定された内容を組織全体に周知、浸透させ、
即実践行動に移せる必要があります。
これまでの指導経験から、これが一番効果の上がる方法であると言い切れます。
国内市場が縮小する中で、このマーケティング視点に立った戦略が営業方針のベースであり、
成果を出すための営業活動の中味が営業「質」であり、顧客接点の行動情報が営業「量」です。
これが営業活動を可視化するということです。
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著者:岩月康隆 目標達成営業コンサルタント
有限会社アクチャーコンサルティング 代表取締役
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